ボイスドラマ「かぐらがももで・・」

Ksボイスドラマ
リアクション
2026年03月29日
声を交換したら、人生が入れ替わった!?


『かぐらがももで・・』『ももがかぐらに・・』は、一之宮かぐらCV・小椋美織と国府ももCV・高松志帆の“声”そのものをテーマにした不思議で切ない物語。お互いの声を羨ましがった二人の声優が、飛騨一宮水無神社で願ったことで起こる奇跡と混乱。それぞれの現場で成功を掴みながらも、本当に大切な「自分の声」と向き合う姿を描きます・・・


【ペルソナ】


・月愛(かぐら/CV:小椋美織)=ヒダテン!一之宮かぐらのCV。一之宮町出身東京暮らし


・萌々(もも/CV:高松志帆)=ヒダテン!国府もものCV。国府町出身東京暮らし


・音響監督他(CV:日比野正裕)=萌々、月愛それぞれの現場の監督&ヒダテン!のプロデューサー


[プロローグ:2026年正月】※ここはすべて収録・編集済


■SE/番組タイトル〜HitsMeUp放送より切り抜き(以下音声)


https://hidaten.com/wp-content/uploads/2026/01/kagura-momo_hitsmeup.mp3


ヒダテン!の国府ももです。


一之宮かぐらです。私のイメージはどんな感じでしょうか?


イメージ? お声を聴いてからは、本当にももちゃんにぴったり。 


もうなんか私もこんな可愛い声出したい!


嬉しいです。ありがとうございます。


どうしよう、私何言われる?いやいやいや、私本当にお声が好きで。


芯があるけど柔らかいみたいなお声。


本当にそれこそかぐらにもぴったりだなって思ったし、


私はそういう声してないので、逆にないものねだりじゃないんですけど、


なんかすごく素敵なきれいなお声だなって思って。


もう個人的にめっちゃ好きなトーンなんですよ。


えー、そうなんですか? 嬉しい ありがとうございます。


ちょっと一日だけ声の交換みたいなのしたいですね。


できることならしたいです。 


できることなら。


【シーン1-1:JR高山駅〜JR飛騨一ノ宮駅〜飛騨一宮水無神社】


◾️SE:高山駅の雑踏〜飛騨一ノ宮駅の構内〜飛騨一宮水無神社の静寂


月愛:「きちゃったね」


萌々:「きちゃった」


2人:「高山〜!!弾丸日帰り旅行!」


月愛:「からの飛騨一ノ宮駅」


萌々:「からの飛騨一宮水無神社〜!」


月愛: お正月の特番から1か月後。


私と萌々は、水無神社の拝殿前に立っていた。


私・月愛と萌々は声優。


飛騨高山を彩る擬人化キャラクターたちに命を吹き込んでいる。


私が演じるのは、舞姫キャラ、”一之宮かぐら”。


私の中低音域がクールビューティなキャラに重なっていく。


萌々が演じるのは、飛騨桃の妖精、”国府もも”。


極上のスイーツのような甘い微笑み。


聴く人はみな、胸をキュンとさせる。


実は私たちは、特番の収録で初顔合わせ。


なのに、なぜかお互いの声に惹かれてしまった。


自分にないものを欲しがる子どものように。


ももの声に焦がれるかぐらと、かぐらの声に憧れるもも。


飛騨の一之宮とはいえ、


なんという不条理なお願い。


御歳大神さま、ごめんなさい!


それでも、表現の幅をもっと増やしたい。


どんなキャラクターでも、生き生きと演じたい。


切なる思いに導かれて、私たちは水無神社の鳥居をくぐった。


拝殿前に並んで立つ一之宮かぐらと国府もも。





短い祓詞(はらえことば)を唱えてから、


二拝二拍手一拝。


萌々が持っている、


”鈴の音のような透明感ある声”。


それを私にも!


萌々: 月愛のような


”クールで凛としたハスキーボイス”。


私にもほしい!


月愛: 「お祈りした?」


萌々: 「した」


月愛: 「なんか、私たちって、すごいこと祈願してない?」


萌々: 「だよねー、こんなことお願いするひと、いないよねー」


月愛: 「でも朝起きたら、お互いの声が出せるようになってたりして」


萌々: 「ないない。


そんなんあったら、アタシ、オーディション受けまくるわ〜」


月愛: 「確かに。


あ、明日、アニメのアフレコじゃなかった?」





萌々: 「そうそう。


スパイアニメのCVオーディションよ。


まだ役は決まってないみたいだけど」


月愛: 「あの話題の?」


萌々: 「まあねー。


でも、スパイアクションなんて、私の声でいいのかなあ?」


月愛: 「いいんじゃない。


萌々みたいな声のアサシンとか、ギャップ萌えで」


萌々: 「そうかなあ。


月愛も明日アフレコの仕事でしょ?」


月愛: 「ボイスドラマよ。


ラブストーリーって言ってたけど、今回はモブだって」


萌々: 「え〜、月愛がモブなんて、超もったいない起用〜」


月愛: 「なことないってば。


ま、とにかくお互いがんばろ」


萌々: 「うん、ファイティン!」


月愛: 私たちは、冬の臥龍桜の前で写真を撮ってから、


鈍行列車で高山へ。


駅前でお土産屋さんを覗きながら、帰りの特急ひだに乗り込んだ。


【シーン2-1:月愛の朝/目覚めたらヒロインボイス】


◾️SE:朝の小鳥のさえずり


月愛:「ふわぁぁ・・・よく寝たわ〜


よしっ! 今日も一日、頑張るぞっ!」


月愛:「って、え?」


月愛: なに?いまの?


私の口から出た音・・・


いつものハスキーなクールビューティじゃない!


寝起きは特にロートーンなのに。


コロコロところがるような、搾りたての桃の果汁のような・・・


どこかで聴いたことのある・・・


この声は・・・


月愛:「国府もも〜!?」


あわてて鏡を見る。


よかった私だ。月愛。


ってことは・・・


月愛:「声だけ入れ替わってる〜!?」(※ここは2人で)


なんでなんでなんでなんでなんで〜!?


こんなアニメみたいなこと・・


いや、アニメでもないわ。


声だけなんて・・おかしいでしょ?


どうしようどうしようどうしよう?


萌々に連絡してみないと・・


まさかあっちも・・?


あ、そうだ。


確か今日はオーディションって言ってたから邪魔しちゃ悪いわ。


ってか私も、今日は・・・ボイスドラマじゃん。


ま、でもいいか。


モブだし。


なんとか乗り切れるでしょ。


【シーン3-1:月愛のアフレコ現場/モブからの大抜擢】


◾️SE:スタジオのガヤ/月愛は低い声を出そうと何度も発声練習する


月愛:「あ、あ、あ・・・おはようございます・・」


聴こえないくらい小さな声で挨拶したつもりだったけど、


監督:「あれ?どうしたの、月愛ちゃん?」


月愛:「あ、監督・・」


監督:「それ、新しいキャラ?」


月愛:「え?あ・・はい・・そ、そうです。


ヘンですか?やっぱり・・」


監督:「いや、その逆。


その声、すっごくいいじゃん!


今日のボイスドラマだけどさ、


メインキャラの一人がまだ決まってないんだよねー」


月愛:「へ?」


監督:「試しにリハであててみてくんない?」


月愛: という感じで、メインキャラのエルフに大抜擢。


ヒロインボイスでレギュラーゲットしちゃった。


こんなことってある?






【シーン4-1:ヒダテン!のアフレコ現場/2人の現場(月愛)】


月愛:「臥龍の桜が舞う季節、わらわの舞も見せようぞ!」


月愛: だめだ。


誰がどう聴いてもかぐらじゃない。


◾️SE:LINEの着信音


途方に暮れて、萌々に現状をLINEしようとしたとき、


萌々からもほぼ同時にチャットが入った。


◾️SE:LINEを開く音


ああ。やっぱり、私たち・・


月愛:「声だけ入れ替わってる〜!!」(※ここは2人で)


そんな悠長なことは言ってられない。


明日はヒダテン!アニメepisode-1の収録。


私が一之宮かぐら役、萌々が国府もも役でアフレコする。


さあ、どうする?


こういうときは一人で考えるより、当事者の2人で考えた方が


良い知恵が浮かぶかもしれない。


◾️SE:スタジオのガヤ


月愛:「おはようございます〜」(※ここは2人で)


私たちは待ち合わせて、2人でスタジオへ入った。


かなり大きめのマスクをして。


私はなるべく萌々にくっついて声を出す。


まるで腹話術のように。


萌々:「あのう・・・Dにお願いがあるんですけど〜」


監督:「なに?」


萌々:「今日はあっち向いて喋ってもいいですか〜?」


監督:「あっちって?背中向いて話すってこと?」


萌々:「はい。しっかり役作りしたいので〜」


月愛:「自分の世界へ入りたいんです」


監督:「ふうん」


萌々:「オペレータさんにはマイク位置、お願いしました」


月愛:「モニターの位置も向こう側に変えてもらってます」


萌々:「ももとかぐらのシーンだけ先に録らせてもらうことにしました」


監督:「ま、いいけど。


なんで今日は2人、そんなにくっついてんの?」


月愛:「え?」(※ここは2人で)


萌々:「もうやだなあ、D〜。


アタシたちめっちゃ仲いいんですよぉ」


月愛:「特番ですっかりうちとけちゃって」


萌々:「Dのおかげです」


月愛:「ありがとうございました」


監督:「いや〜。僕なんもしてないし」


月愛: Dがテキトーな性格でよかった。


収録はいつもCVの自主性にまかせるってスタンスだしね。


こうして、Dやオペレータに背中を向けたアフレコ収録が始まった。





萌々:「臥龍の桜が舞う季節、わらわの舞も見せようぞ!」



月愛:「Eバイクが気持ちいい季節、ももと一緒にピーチロードを走らない?」