【北大卒塾長が解説!】小6算数から中1数学へ 抽象性の壁をどう乗り越える?

TSUBASA 個別学習サポート塾
リアクション
2026年06月12日
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「勉強」「子育て」「思春期」の悩みを、塾講師目線でわかりやすく解説しています。学校や塾だけでは届きにくい部分も、ご家庭で再現できる方法でご紹介します。

✅このチャンネルで扱うテーマ
・勉強のやる気/習慣化/テスト対策
・スマホやゲームとの付き合い方
・不登校やメンタル不調の初動
・親子関係がこじれない伝え方

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中学数学でつまずく子を見ていると、私はよく「それは無理もないことだ」と感じます。小学校の算数は、とても丁寧です。おはじきを使い、時計の模型を使い、買い物や道のりのような生活場面を通して数を学んでいきます。文部科学省の学習指導要領でも、小学校算数は具体物を用いた活動を通して、数や量や図形を理解していくことが重視されています。ところが中学校に入ると、数字そのもの、式そのもの、関係そのものを考える時間が急に増えます。これは教科の性質上当然なのですが、子どもにとってはかなり大きなジャンプです。

私自身、中学1年生のときの数学の先生の授業を今でも覚えています。正の数・負の数の説明で、先生は機関車トーマスの模型を机に置き、「マイナスは後ろを向くこと」「数字の前のマイナスは後ろ向きに進むこと」と説明してくれました。後ろを向いて、さらに後ろ向きに進めば、結果として前に進むのと同じになる。その説明を聞いたとき、抽象的だったはずの計算が、急に頭の中で動き出した感覚がありました。授業参観で保護者の方から拍手が起きていたことも含めて、私はあのとき初めて「わかるように教える」ということの力を実感した気がします。

だから私は、塾の役割は学校と同じ説明を繰り返すことではないと思っています。学校は学問として正確な言葉を使う必要があります。一方で塾は、まず子どもに届くことを優先できます。たとえば因数や素因数分解を教えるとき、私は「お好み焼きの具材」を持ち出します。完成したお好み焼きを、これ以上分けられない材料まで分けていく。それが素因数分解です。共通因数も、「たこ焼きとお好み焼きの共通の材料を前に出す」と説明すると、子どもは驚くほど納得してくれます。数学的に厳密な定義そのものではありませんが、抽象概念に一度意味を与えることは、理解の大きな助けになります。

思春期の脳はまだ発達の途中で、前頭前野の働きやワーキングメモリには限界があります。数字、記号、ルールを同時に抱えて考える数学が難しいのは、ある意味で自然なことです。 だからこそ、勉強で迷ったときには塾を頼ってほしいと思います。私たちは、抽象的でつかみにくい内容を、その子の頭の中に入る形へと言い換える技術を仕事にしています。理解できないのは、能力がないからではなく、まだ入口が見つかっていないだけかもしれません。その入口を一緒に探すことこそ、塾にできる大切な仕事だと私は考えています。