“決裂”から2か月…基金設立で合意 アメリカ・ウクライナ 鉱物資源協定に署名【報道ステーション】(2025年5月1日)

ANNnewsCH
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2025年05月01日
アメリカのトランプ大統領、就任100日という節目の閣議が開かれました。

全閣僚の前には帽子がずらっと並んでいます。大統領令で呼称を変更した『アメリカ湾』の文字。100日間の成果をアピールする材料がこれというのが、いかにもトランプ政権らしい光景です。

注目されたのは、イーロン・マスク氏の去就。政権から退く可能性は高そうです。

アメリカ トランプ大統領
「イーロン、その重ね帽子、いいね。それやって許されるのは、彼だけだな」
イーロン・マスク氏
「私には役職がいろいろ“重なり”、帽子も2つ“重なる”ほどですよ」
アメリカ トランプ大統領
「君の力添えにみんなが感謝している。多くを犠牲にしたのに、不当な扱いを受けてきたね」
イーロン・マスク氏
「わが社の車を、散々、燃やされましたが、ぼちぼちです」
アメリカ トランプ大統領
「好きなだけ残ってくれて構わないが、本業の車造りに戻らねばならんだろう。ご苦労さん」

この閣議のあと、ウクライナの鉱物資源などをめぐる協定の署名が行われました。
両国は、ウクライナに眠る鉱物資源を開発するための基金を共同で設立することで合意に達しました。

アメリカ ベッセント財務長官
「この協定によって、自由で独立した豊かなウクライナを柱とする長期の和平実現に向けたトランプ政権の意気込みがロシア政府にも伝わるはずです」

もともと鉱物資源に関する協定は、去年9月にゼレンスキー大統領が、大統領選中のトランプ氏に持ち掛けたことが始まりだったといわれています。しかし、トランプ政権発足後、ウクライナに提示されたアメリカの案が事態を難しくします。

ウクライナが求めていた安全保障の確約が明記されていないこと、そして、これまでアメリカが行った軍事支援は、いわばウクライナの“借金”であり、それを回収するために鉱物の利権を寄こせという内容だったからです。

その後、両大統領が言い争った2月の会談で、合意は見送られ、亀裂は決定的になりました。

あれから2カ月。
粘り強く交渉を続けた結果、アメリカ側も態度を軟化させたようです。

両国の合意内容には、『負債の回収』という言葉は入っていないといいます。“軍事支援は借金”だと主張していたトランプ氏が、ここは譲った形です。さらに、この協定は、ウクライナの長期的な平和を目指すため、何十年に渡るものだとしています。

ワシントン・ポスト
「合意は『アメリカによるウクライナの安全・繁栄・復興、世界経済の枠組みへの統合を支援する』と述べている。この文言だけでも、ウクライナにとっては勝利を意味する」

アメリカが拠出するのは資金だけでなく、防空システムの供与など“軍事支援”という形も可能だといいます。

ウクライナメディアによりますと、初めてトランプ政権が軍事支援の承認をアメリカ議会に求めたといいます。

◆アメリカとウクライナが『復興投資基金』を設立することで合意しました。

今後のウクライナ情勢にどういった影響があるのでしょうか。

ウクライナには豊富な鉱物資源が眠っています。チタン、ウラン、マンガン、グラファイトなど、今も盛んに採掘されています。
これらの資源は、再生可能エネルギーや軍需産業、産業インフラに使用されるため非常に需要が高いとされていて、新たに一緒に開発し、その収益を元に基金を作りましょうということを合意しました。

合意について、ウクライナのスヴィリデンコ第一副首相は「アメリカによるウクライナの安全保障問題、復興および再建への意欲を示すものだ」としています。

どのように安全保障が関わるのでしょうか。

アメリカのウォール・ストリート・ジャーナルは、トランプ政権関係者の話として「ウクライナにおけるアメリカ企業の存在が、モスクワによる同国への再攻撃を抑止する」と伝えています。

さらに、今回の合意をみると、「アメリカが基金に拠出する場合、金銭以外に防空システム供与など支援の形でも可能」などと、新たな兵器供与の話にも踏み込んでいます。

◆この合意について、東京大学先端科学技術研究センターの小泉悠准教授に聞きました。

小泉さんは 「トランプ政権の大きな転換」と述べました。「これまではトランプ氏は、鉱物資源協定は、過去に軍事支援していた『代金の回収だ』と言っていた。これに対し、ウクライナは、鉱物資源開発の見返りに、アメリカがウクライナの安全を保証するよう、求めていて、交渉は折り合えなかった。トランプ氏は譲らないだろうと思っていたが、ウクライナ側の要求をのんだので、意外だった」といいます。

さらに、トランプ政権発足以来、初めて、ウクライナへの軍事支援の承認をアメリカ議会に求めたという報道も出ています。                      
小泉さんは「トランプ政権として軍事支援を本気でやること、ウクライナを見捨てないことを示したように見える」と語っています。

なぜトランプ政権は姿勢を変えたのでしょうか。

小泉さんは「当初は、ウクライナへの軍事支援を切ることで、ウクライナを追い込み、早期停戦を狙っていた。しかし、ウクライナが屈しなかったことで、ロシアに一方的に有利な条件での停戦は頓挫した。ただ、今後、前政権のような大規模な軍事支援をするかどうかは不透明だ」と指摘しています。
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